2012年6月16日土曜日

棚問題2


引き続き「棚問題」です。

校長先生の言い分として

2007年にガーナ政府から理科強化校に指定された際に新しい(現在使用している)実験室が建てられた。
その時、一緒に棚も作られているはずのものであり、今からお金を出して製作するのはおかしい。

との事。

ちなみに今の校長先生は2010年の途中に着任しているので当時、学校にはいません。

ここで一度計画は完全に頓挫します。

その後、当時の工事業者に事実を確認しますが、いかんせんここは途上国ガーナ、そんな詳細な資料が残っていたり、詳しい状況は把握できませんでした。

そのため、周りの先生や職員を巻き込んで校長先生を説得する様な働きかけを行いました。

ガーナ人の高いブライドを傷つけては、この計画は完全に崩壊するので、

「そうそう、こんな実験器具があるんだけど見に来てよ」

「この前、日本では見ない変な器具を見つけたんだけど使い方教えてちょうだいな」

等と、軽い感じで他の先生や職員を理科室に呼んで備品が山積みされている部屋に誘います。

「いや~こんな山積みされた器具はもったいないよね」

「棚があれば何がどこにあるかわかりやすくならないかな~?」

などなど徐々に用件を切り出していき、理科を担当している先生以外や管理職の人たちに私の考えを知ってもらいました。

要は「根回し」です。

空から降る一億の星のキムタクの様が

「別に俺が頼んだわけじゃないけど、彼女が勝手にやったんだよ」

と言ったように、

「別に俺が頼んだわけでじゃないけど、みんなが勝手に校長先生を説得してくれた」

的な感じです。

この働きかけが功を奏し、校長先生をなんとか説得する事ができ、棚の製作について一応の許可を得られる事となりました。


そしてこの時、私には決めていたことがありました。

「棚の製作にJICA(独立行政法人国際協力機構)の支援経費は使わず、配属先やガーナの機関の中で費用を全て出してもらおう」

協力隊員がJICAに申請をして承認を得られれば、費用を工面してくれる制度があります。

それを使わずにいこうと考えたのは、既に製作されているべきものと主張しているものに対して、外部の機関から援助をするべきではない。
と考えたからです。

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